2019年9月22日

伝統芸能@野外公園『このほしでひとはおどる -民俗舞踊フェスティバル-』



9月22日(日)に、祭事・芸能部門スペシャル事業 伝統芸能@野外公園『このほしでひとはおどる-民俗舞踊フェスティバル-』が行われました。その様子をレポートします。


郡上踊り/郡上踊り保存会 撮影 梁丞佑

記事掲載:2019年11月6日

今回のフェスティバルには、中国と韓国の団体を含めた12団体266名が出演。
事前告知のホームページやパンフレットは日本語以外に英語・中国語・韓国語版を作成し、より多くの方の来場を呼びかけました。会場の東池袋中央公園では、出演団体の紹介・グッズ販売ブースが設けられ、賑わいをみせていました。

フェスティバルの最初に登場したのは、元禄年間から伝承される豊島区の民俗芸能、「長崎獅子舞」です。
獅子頭を被った三頭の獅子が、笹を悪役に見立て太鼓を打ち鳴らしながら退治をする「笹舞」が披露されました。荒々しい戦いの舞だけでなく、獅子がならんで頭を振るかわいらしい踊りが印象的でした。


長崎獅子舞/長崎獅子連


龍踊り/東龍倶楽部

続いて、沖縄県のエイサー、岩手県の中野七頭舞(なかのななずまい)、長崎県の龍踊り(じゃおどり)、北海道のアイヌ民族舞踊が登場。
お囃子の音につられて、観覧者が増えてきました。初めてみる踊り、迫力のある踊りなど、さまざまな民俗舞踊に皆さん興味津々です。


金津流獅子躍/金津流横浜獅子躍 撮影 筒浦翔太

第二会場の東武百貨店池袋店 スカイデッキ広場にも、たくさんの方が集まっていました。こちらの会場では、東池袋中央公園の出演団体のほか、岩手県の金津流獅子躍(かなつりゅうししおどり)、香川県の讃岐獅子舞が登場しました。第二会場が設置されたのは今回が初めてでしたが、通りかかった人が足を止めたり、食事をしながら観覧したりと、思い思いに楽しんでいる様子でした。

そして今年の見どころのひとつとして、東アジア文化都市2019豊島にちなみ、中国と韓国の民俗舞踊が登場しました。中国の舞踊は、ゆったりとした美しい漢民族の踊りや、エネルギッシュに飛び跳ねるようなイ族の踊りなど、数種類が披露されました。韓国の舞踊「風物(プンムル)」は、頭の飾りや衣装がとても鮮やかで特徴的。帽子についている白く細長い紐が円を描き、隊形を組んで踊ります。4種類の打楽器の紹介も行われました。


漢民族舞踊/一般社団法人 中国舞踊サロン 撮影 梁丞佑

風物/東京韓国YMCAプンムル団 撮影 梁丞佑

フェスティバルの中盤には、国立民族学博物館の研究員で日韓の民俗音楽や芸能に精通する神野知恵さんと、世界各地の音楽や地域文化を取材されてきたライターの大石始さんによるトークセッションが行われました。くらしや信仰の中ではぐくまれている民俗舞踊のリズムや体の動かし方は、その地域のなまりや食べ物、風土にも関連があるそうです。また、お二人のこれまでの体験談から、韓国のリズムやステップと日本を比較したお話も聞くことができました。さまざまな舞踊を見る合間に、地域ごとの成り立ちや特徴を持つ民俗舞踊の魅力に触れる良い機会となったのではないでしょうか。


トーク・セッション/神野知恵、大石始、マット・ギラン、髙橋亜弓(左から敬称略)撮影 梁丞佑

踊り手と観客が一緒に踊る「輪踊り」は、大きな盛り上がりをみせました。
日本三大盆踊りといわれる「西馬音内(にしもない)盆踊り」(秋田県)、「郡上(ぐじょう)踊り」(岐阜県)、「阿波踊り」(徳島県)など、各地域の民俗舞踊をみんなで体験。振りを知らなくても、見て真似をしながら誰もが参加できるところが輪踊りの醍醐味です。私もつられて体を動かすと、子供のころに参加した地域のお祭りを思い出し、懐かしい気持ちになりました。夕方には小雨が降り始めましたが、雨にも負けずにどんどん参加者が増え、輪が三重、四重と大きくなっていく様子が見られました。
フェスティバルの最後にはアンコールの掛け声があがり、もう一度みんなで輪踊り。2つの会場合わせて5,000名以上の来場者があり、民俗舞踊の力を感じる熱い一日となりました。


阿波踊り/新粋連 撮影 梁丞佑

今回の民俗舞踊フェスティバルは、日本と世界のさまざまな地域の文化を体感する機会となりました。会場の前を通りかかった海外からの観光客や、他地域の参加団体が輪踊りに参加するなど、そこにはまさに「このほしでひとはおどる」のタイトル通りの光景が広がっていました。