2019年9月24日

Oeshiki Project Session #3「Oeshikiと都市の未来」 レポート



《Oeshiki Project》のテーマである「御会式(おえしき)」。地域の人びとと共にこの伝統行事を営んできた雑司が谷のお寺「法明寺」の近江正典住職を訪ね、御会式を通じて見えてくる都市の未来を語り合いました。

6月26日(水)に雑司が谷 法明寺みみずく会館にて『Oeshiki Project Session #3』トークイベント「Oeshikiと都市の未来」が開催され、法明寺の近江正典住職にクリエーションチームの石神夏希さん、清宮陵一さん、嶋田洋平さん、安東嵩史さんがお話を伺いました。

前半はまず近江住職から御会式や法明寺、鬼子母神堂の歴史についてお話しいただきました。後半はクリエ―ションチームからの質問を近江住職にお答えいただきました。

印象的だったのは、御会式の太鼓の起源について。本来は参拝する道中に叩くものではなかったけれど、庶民の巡礼者が、ただ歩くだけではなんだか手持ち無沙汰で寂しいので叩いてみよう、と考えたところからお囃子のリズムが生まれていったのではないかというお話でした。また戦時中には、鬼子母神堂を除いて雑司が谷一帯が焼野原となったお話、駄菓子屋を中心とした雑司が谷の小学生の縄張り争いなど雑司が谷の歴史を振り返りました。そして雑司が谷と御会式のこれからについて、「もともと鬼子母神さんもインドの神様だったのだから、細かいことを気にせずに、外から来た方々も一緒に歩いていくことができれば」とお話しされました。

現在の雑司が谷の御会式は老若男女、人種国籍も関係なく参加できます。例えば昔は女性は纏(まとい)を振ることができなかったのですが、今は男性よりも上手に纏を扱う女性もいらっしゃるそうです。

「Oeshiki Projectに期待することは?」とのクリエ―ションチームの質問に対し、近江住職からのお答えは大きく二つ。

一つはこのプロジェクトに参加された方が、「参加して良かったな」と笑ってくれるプロジェクトになること。
御会式を開催する際にご住職がいつも思い起こすのは、練り歩きを終え鬼子母神堂にたどり着いた方々が、最後にお題目を唱える時にとても幸せそうな顔をされていることだそうです。Oeshiki Projectの参加者にも、幸せな気分で歩いていただき、「お参りすることは実は楽しいこと、お参りしたら嬉しくなることを感じてもらえればいいな」とのことでした。

もう一つはこのプロジェクトを通し、御会式について様々な分析をしてほしいということ。
Oeshiki Projectのクリエーションチームには様々なプロフェッショナルが集まっています。例えば、音楽的になぜあの御会式独特のリズムが好まれ、雑司が谷界隈の人たちが音を聞くと思わずうずうずとしてしまうのか。街づくりの専門家から見て、御会式のコミュニティを通じたまちづくりの可能性など、御会式をこれまでとは異なる視点で再発見していただけたら面白いのではとお話しされました。

今回のトークには、アートプロジェクトに関心のある地域外の方に加え、雑司が谷にお住まいの方々にも多くお越しいただきました。御会式だけでなく、毎年7月に営まれる鬼子母神の盆踊りについて紹介してくださる地元の方もいました。今回のトークが、どのようにツアーパフォーマンス《BEAT》に活かされるのか楽しみです。

※雑司が谷鬼子母神では「鬼」の字を一画目の角がない字を用いています。

|関連イベント|
Oeshiki Project Session #3
トークイベント「Oeshikiと都市の未来」
〈日程〉6月26日(水)19:00-21:00
〈集合〉法明寺みみずく会館
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